職場でどうしても嫌いな人の対処法⑤ 悪魔との取引






ダンナは家族とは言っても部外者なのであまり詳細までは話せませんでしたが、それからしばらく私は独り言を言わずにはいられませんでした。


「私は呪いなんてかけてないよ。そんな力ないし・・・ いなくなって欲しいと思ったけれど、それは他部署に異動するとか、担当を替えるとか、そういう意味で・・・」

「呪い??」←ダンナ




そして、私の嫌いな人、リーさん(仮名)は2週間後に会社を去りました。

あまりにも急だったので、大変なのは引き継ぎでした。

私は質問事項や必要な情報をリストアップしましたが、肝心な、一番必要なファイルを送ってくれないのです。

何度か催促しましたが、なかなか送ってくれないので、週末私は心配で夜眠れませんでした。

もしファイルをくれなかったらどうしよう

いざとなったら、リーさんが辞めた後にリーさんが使っていたパソコンから探し出さなければなりませんが、ファイル名なども全くわからないくて、おそらくZip形式で圧縮されているだろうという事しかわからないので、雲をつかむような気持ちでした。

もしかしてわざと意地悪している?と疑ってしまいましたが、本当にファイルがどこにいったのかわからないようで、でもプライドが高いのでそれを認めようとしません。

結局、私は自力でファイルを見つけ出しました。

ファイルを見つけ出した時は、「あった!これだ!」とほっとしましたが、気がついたら十分な引継ぎはしてもらえませんでした。


そして、リーさんは嵐のように去っていきました。

そしてリーさんが辞めて約1ヶ月後、別のプロジェクトで送ってもらったファイルが最新ではなかったという事が判明しました。

これってわざと?私だったら、古いファイルを人に渡すなんて考えられない・・・でもそのプロジェクトは私以外の人も関わっているし、混乱状態で、本当に間違えたのだろうか・・・??


リーさんが担当していた仕事の多くは私が引き継ぐ事になり、後釜も雇わない事になり、泥沼にハマったようなプロジェクトもありました。

残されて引き渡された方も泥沼です。


リーさんがいなくなってからも、リーさんの亡霊に悩まされるようになりました。

そして、別のストレスが発生してきました。

今まで職場で嫌いな人がいるというストレスがなくなったのに、別のストレスに置き換わり、ストレスの量は変わらないのです。



私は悪魔と取引したような気がしました。



私が藁人形の代わりの似顔絵を作ったり、お風呂場で「消えていなくなればいい」と呪いをかけたから



悪魔が


お前の望み通りにしてやったぞ

これで満足か?


・・・と囁いたような気がしました。



私は

違う、呪いなんてかけてない

私はこんな事を望んでいない

だって、明日は我が身だから



・・・と心の中で思いました。













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